ツアーログ2000

トカラ列島ダイブクルーズ

2000年6月23日(金)〜6月27日(火)

9ボートダイブだったかな?

{ 写真はデジカメで撮りました。}


鹿児島 串木野港〜鷹島(DIV)〜硫黄島(宿泊)〜口之永良部島〜口之島(DIV)〜中之島(宿泊、DIV)〜臥蛇島(DIV)〜悪石島(宿泊、DIV)〜小宝島(DIV)〜宝島(DIV、宿泊)〜奄美大島(DIV)


今年の台風前、梅雨明けのこの時期はトカラ列島へのダイブクルーズとなった。九州の南(と言っても屋久島より下)から始まり、奄美大島に至る島々、つまりトカラ列島へのダイビングはほぼクルーズでしか行けない。しかし、黒潮本流が横切り、地形はあくまでもダイナミック(手付かずのサンゴの海までありやがるが)なこの海は以前から大物狙いの釣氏の間ではあまりにも有名である。そして、ダイバーにとっても最上級の野生の海なのである。


串木野〜硫黄島

鹿児島空港から串木野港までマイクロバスで移動。天気はなんとかもっている。出港後は南西の風の影響でややうねりが高い。トカラ列島に入る前に西南西に向かい、無人の島(岩?)鷹島へ。ここは高さ60〜70mだろうか。カツオドリが住む三角に見えるいくつかの岩からなる島である。そして、もちろんダイビングだ。このツアーの1ダイブめではあるがかなり魅力的な隠れ根にエントリー。水は青く透明度は30mは軽く超えている。水温も25〜27℃と十分に温かい。根頭は浅いが回りは40m以上はあるだろうか。異様に大きな(どの魚も大きいが)ウメイロが目に飛び込む。ここでは他にサザナミヤッコ、タテジマキンチャクダイ、モンガラカワハギ、(書いていたらキリがない)など沖縄あたりでおなじみの魚の他にミギマキ、タカノハダイなど私達には伊豆の海でよく見る魚たちが当たり前のように混ざっている。そして、伊豆でも沖縄でもなじみのないキヘリキンチャクダイもそこここにいる。キンチャクダイとアカネキンチャクダイと三つ巴でいたりするのでたまらない。1ダイブで目に入る魚種としては沖縄より多いだろう。また、今回は水温が高すぎたためか現れなかったがメジロザメが多く見られる場所であるとのことである。はっきり言ってこのあたりはたまらなくおもしろい海である。

そして、この日のお泊まりは真っ赤な水の港と歴史を感じさせるたたずまいを持つ硫黄島へ。海岸の淵にある絶景の温泉(もち露天)にも行き1日目が終わった。

カツオドリが主 鷹 島

硫黄島の露天温泉


口之永良部〜中之島

いよいよ口之島からはトカラ列島である。しかし、外洋ならではの大きなうねりがおさまらず2日目は口之島の静かな島陰でアンカーを打ってのバディごとののんびりダイビング。潮流もうねりも無く、ここまで揺られた体を休めながらマイペースで潜った。ここは砂地に大きな岩が点在する場所でそれぞれ岩にへばりつきながらフィッシュウオッチング?をしている。しかし、こんな静かな場所でも平気でイソマグロや30キロを超すであろうロウニンアジが通ったりするのだからさすがトカラというしかない。そしてこの夜は中之島に船を付けて船中泊。相変わらず温泉は行ったし、満点の星空や港でのロウニンアジ狙いの釣にもトライした。(ダメだったけど)

中之島ではビルのような岩で魚を待った


臥蛇島〜悪石島

臥蛇にしても悪石にしてもじつにすごい名前だ。島に近づき景観を見るとなんともうなづけるものもあるが。さて、中之島を出て臥蛇島を目指す。うねりはまだ高く内心狙っていた立神岩(トカラには立神岩と呼ばれる岩が多い)はとても入れない。その代わりうねりの当たらない風下であたりをつけて潜った場所はなかなかおもしろかった。そこはなだらかな斜面にたまに根が張り出しているところで斜面にはサンゴが豊かにあり、コブシメ、ハナビラクマノミ、カメと遭った。根の方ではウメイロモドキの群れ、トサヤッコ、タテジマヤッコ、タテキン幼魚、キンギョハナダイ、ハナゴイ、クダゴンベなどがいて、また明るくてとても気持ちの良いダイビングをすることができた。

そして、移動して悪石島へ。そこでの今日のラストダイブは本立神岩だ。名前に恥じず?流れもなかなかある。数十メートル先(沖に向かって)に根があるのだが渡るのはやめておこう。しかし、渡らずともイソマグロ(かなり大きい)の編隊、ロウニンアジ(30〜40キロ級)が2匹現れ、驚かせてくれた。この夜は悪石島の民宿に泊まる。島はもちろん険しい地形をしていたが海岸には思いきり天然の温泉があったり上の集落も実に味わい深いたたずまいでこころに残る島である。

また、翌日はもう一回本立神岩で潜って悪石島から宝島に向かったのだが途中悪石島の近くですごい数のイルカの群れに遭い、かなり長い時間船に付いたりして遊んでくれたのはラッキーであった。

臥蛇でウミガメが接近


小宝島〜宝島

小宝島まで来るともうすっかり南の海の感じである。ここは沖縄といわれても納得してしまう。ここでは隠れ根に潜ったがテングハギモドキが壁のように群れていつまでも我々の目を楽しませる。根の上や潮上の側面にはぐっちゃりキンギョハナダイが群れ、アカネハナゴイやカシワハナダイも見られる。それからトカラ全般に言えることだがウミヘビが多いようだ。他には当たり前のようにイソマグロは上を通過して行ったりする。あとはナポレオンの若いやつがいたりだがとにかく魚種はメチャメチャ多いのである。

宝島では白い砂地とサンゴ礁(沖縄あたりのサンゴ礁とは多少ちがっているがやはりとても豊かだ)の場所に潜る。ここでは、ツバメウオの群れ、イシガキダイ、各種コショウダイ、ロウニンアジの子、砂地ではホシテンスの子などを見ることができた。そしてこの日の宿泊は宝島での半キャンプ。

小宝島の隠れ根にて

宝島 ツバメウオの群


〜奄美大島

最終目的地の奄美大島に向かう。その途中にやはり釣りでは有名なサンドン岩で潜った。以前ここではダイバーの漂流事故があったと聞くが、この日は天気もよく潮流もほとんど無い。岩には釣り氏が上がっていたので遠慮し離れ岩の際で潜る。ここは、周りはそれほどストーンと落ちているわけではない。この日は潮流がなかったためか、回遊魚を見ることはできなかったがコンディションに恵まれ、サンドン岩に潜ることができ不満は無い。そして、奄美大島は見えている。


トカラ列島は北から南西に連なるため1回のクルーズで海の変化、島の変化がなんとも言えずおもしろい。九州から始まったのにサンゴ礁の島奄美大島に上がってみると不思議な感覚にとらわれる。アクセス的にも季節的にもなかなかダイバーが潜るチャンスの少ないこの海の素晴らしさもさることながら変化の上を短期間で潜りあるく(島=陸上も見るし)おもしろさがトカラクルーズのおもしろさであろう。


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iwashi-d@divers.ne.jp