ツアーログ2000

[南九州ツアー秋]

9月29日(金)〜10月1日(日)


デジ写真撮影 : 寺尾 香さん→K.T、チェリー荻原→Cherry、スタッフイタミ→M.I

九州 鹿児島の西から南のあたりには有人、無人の島(岩?)が点在する。屋久島やトカラ列島までは行かない鹿児島の陸地からそれぞれ60〜80km走ったところがそうだ。

これまではトカラツアーの初日に寄ったりしていた。しかし、ついでではあまりにもったいない海である。ここいらあたりを船で潜り歩こうと南九州ツアーと呼んで計画したのである。


急な風雨

前回8月の偶然が重なっていい思いをしちゃったこのツアーに味をしめてもう1回と計画した今回。やっぱり怖かったのは台風であった。1週間前から台風情報を見ながら周辺に台風が無かったことに「もらったー!」と思っていたのに、のに、のに、のに

まずまずの予報だったこの3日間はあいかわらずの予報がえしでいきなり雨。低気圧からのびる前線の影響で現地に着いたとたんに雨とさらには南西の風が急に吹き始めた。メンバーそれぞれが胸に手を当てて最近のオコナイを思い返してしまうのであった。どうやら沖に走るのはムリ、近くで潜ることにした。

枇榔島

ここは船で5〜10分程度で着く。釣りではけっこう有名らしい。前回も潜ったが決して悪くない海である。もちろんはるばる鹿児島まで来たのだからって気持ちはあるので沖に目をやってしまうのだが。

1ダイブ目は沖に張り出したあたり「南の詰〜高松」というあたり。透明度は雨の影響か15m程。岩には小さなガンガゼがびっしりくっつき、当然ながら伊豆の海とは雰囲気は違う。当たり前のようにタテジマキンチャクダイやモンガラカワハギ、サザナミヤッコが見える。そしてなんといってもここの名物キビナゴの大群が。この群れは様々な形に変わりながら走りまわっている。これは2ダイブ目の「西の詰〜ゼンダナ」ではさらにパワーアップ。伊豆あたりでもキビナゴの大群は見るのだがケタ違いの数である。我々を取り囲むように群れが走り、途切れない。まったく目が回るくらいである。それからおどろいたことに水底にはアラがそこここ見える。上がって漁師さんに言ったら目が輝いてしまった。沖側にはウスバハギの壁のような大群がいたがちょっと遠かったかな。岩の間には普通種?となったキハッソクがいる。

キビナゴたちはさまざまな形に変化しながら走りまわる 枇榔島にて M .I


・ 今日も雨

2日目も雨風で始まってしまった。残念ながら天気には勝てない。海で遊ぶのはそういうことだと自分に言い聞かせるがやっぱり残念。

2日目も雨風で始まってしまった。残念ながら天気には勝てない。海で遊ぶのはそういうことだと自分に言い聞かせるがやっぱり残念。

とりあえず1ダイブ目。枇榔島にもけっこう波が当たっていたのでもっと湾の奥のほうの平崎の曽根という場所へ。なんとなく湾内と言うことでそれほど透明度やスピード感への期待はしないでエントリー。ところがドッコイ、相変わらずのキビナゴの大群にカンパチの群れが突っ込みまくっている。ダイビング中その光景は続いていた。下ではテーブルサンゴとネンブツダイの子の雲のような大群、イサキの群れ、キンギョハナダイの群れに混じってケラマハナダイ♂♀。透明度は15〜20m程。字で書くと魚の名前が並ぶだけだがとにかく素晴らしい魚影と開放感のある根で意外といってはなんだがめちゃめちゃ楽しめた1ダイブであった。

岩にはりついても楽しい。イロウミウシの仲間?  K.T

・ ちょっと遠征

周囲の大きさはソーフ岩ほどであろうか。陸から見える距離であるが中はおもしろい!久多島  M.I

今日の2ダイブ目は船側の申し出で沖にではないが30〜40分走った場所にある久多島で潜ることになった。ここは普段は釣り人が上がっていてダイビングはしにくいとのことだが今日は幸か不幸か悪天候(ダイビング中には天気は良くなってしまった、ラッキー)で誰もいない。潮はかかりやすくサメ(ハンマーも含め)が多いところだそうだ。岩の周りにはカツオドリが飛び雰囲気はバッチリの岩である。潮の影でエントリーするといきなりワラサの群れが我々めがけて飛んできた。ツムブリも混じっている。やはりキビナゴを追っているのだろうか。巨大アオブダイ、アラ多数、ムレハタタテの大群、タカサゴ群れ、カゴカキダイの群れなど。透明度は20〜25mだろう。もちろんタテキンやモンガラカワハギなんかも当たり前に見える。枇榔島あたりではカンパチは本カンパチであったがここではヒレナガカンパチでこいつらもこちらに興味をしめして周りを泳ぐ。サメが出るというほうはうねりが当たっていて行かなかったがいやいやここはおもしろいね。岩好きの好奇心も満たしてくれる景観だし…


・ついに走った、宇治群島

3日目、前夜はまるで嵐のような風雨で明け方まではけっこうな雨であった。しかし、風は弱まり波も低くなっている。とにかく走って考えようと言うことになった。場所は逃げ場のある宇治群島かな..などと話しながら。とにかく行き先も走って決定と言う感じだ。途中、真っ黒な雨雲の下を通ったときなどはドシャブリ状態でひたすら耐えるダイバーたちと言った光景である。結局、行き先を宇治群島に決め近づくとみるみる海は凪となった。さて、どこで潜ろうか、どこも潮は速そう。船は多少不安そうだったがうちは波は嫌いだが潮はけっこう慣れている。速すぎたらダイビング5分の総流しだって文句は誰も言わない。とにかく全員がばらけないことだけにそれぞれが集中すればそれほど危険ではないのである。いろいろさがして沖にポツンと頭だけ出している洗岩に入ることにする。こういうダイビングは水中のすべてがわかっていて入るのではなく、魚群探知機で水深や魚影、水面から見た地理的なもの、潮の当たり方で「是非こんな場所の水中を見てみたい」という気持ちでトライするのである。だから当たりだってハズレだってだれも文句は言わない。

流れるようにタカサゴの群れが..でも大きい。 K.T

さてさてその水中であるが、もうサイコーであった。エントリーは洗岩ぎりぎりに船を寄せ、一気にエントリー、即岩の途中に集合である。いきなりツバメウオの群れが目に飛び込む。水は青く透明度は30m以上ある。メジナの大群が右往左往し、タカサゴ群れ、ムレハタタテダイの大群、ニザダイの群れ、岩にはコガネスズメダイがびっしりついている。岩の間にはトサヤッコやキヘリキンチャクダイなんかも見える。沖側にはムロアジの群れが走っていてどこを見てもお見事状態である。根から離れて浮上してゆくとでっかいカマスサワラが3匹我々の様子を見に周りをぐるぐる回っている。残念なことにカメラビデオ班はみんな電源を切ってしまってそいつらをうつすことは出来なかったが実に満足の1ダイブであった。この日は前回潜った雀島の北のハナレ(こっちももちろん良かった)に潜り、無人の港で昼食をとってニコニコ帰ったのであった。

エントリー直後に目に飛び込んだツバメウオたち。 M.I

ムレハタタテダイの群れは今回よく遭った。これも大きい。K.T


今回も誰もいない宇治家島の港でひとやすみ。  Cherryのカメラ


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iwashi-d@divers.ne.jp