7月31日〜8月4日

今年のトカラは「皆既日蝕」名前が知れたようです。

これまでは、トカラ列島にダイブクルーズ(と言うより航海ってイメージ?)に行ってきますと言っても多くのダイバーが「??」という反応。

今年は日蝕のおかげでずいぶん認知度が上がったようです。

日焼けのわけを話す時の説明が楽になりました(笑)

とは言え

認知度が上がろうと下がろうと私たちのトカラ列島への思いはいつも同じです。

毎夏の大きな楽しいチャレンジなのです!

毎年出港までハラハラさせられる5日間の外洋での航海。

今年の最大のトピックスである皆既日蝕の時にはトカラ列島は風雨が荒れる残念な天候だったとのこと。

異常気象という言葉を頻繁に耳にするこの数年、まったく先の天候が読めません。

今回も出発予定日の前まで海況は波高し。(帰港後も波高かったようですが)

今年のトカラクルーズ、どんな旅になることでしょう。


.

ちょっとした楽しみ

鹿児島県串木野港の出港は7月31日の昼前予定。

東京発の方は朝一の便に乗る必要があります。

可能な方は前日の夜に鹿児島入りします。そして鹿児島市内で1泊。昨年行き着いたラーメン屋。夜の11時にラーメンを食べるのもなんですが、盛の少ない「小ラーメン」もあることだし、脂肪を恐れない数人の方はやっぱり行ってしまいました。

「とんとろラーメン」

しつこくなく、チャーシューもとろけそうでおいしかったです!


電車で

ちょっとした問題はありましたが、鹿児島市内から市電、電車を乗り継いで串木野駅へ電車の旅。

市電の停留所にて     Asai


湯瀬は静かな海に浮かんでいました

クルーズ初日

うれしい凪の中、航海は始まりました。

そして足慣らし(って言えるの?)の1ダイブ目は、大好きな「湯瀬」。

沖縄の有名ポイントにだってぜ〜んぜんひけをとらない湯瀬へのエントリー。

水は青く、潮流は快調に走っています。脱兎のギンガメアジたちも水深を下げて流れをしのいでいます。

いや〜、目が覚めたある意味初日にふさわしい1ダイブ目でした。

エアーが横に飛ぶ中、手でエッチラ進みます

こんなに凪でいいのでしょうか 湯瀬  K.Kobori

・・

1泊目は口永良部島

1日目は毎年ここ口永良部島で泊まります。

時間的に夕方までに来られるのはここくらいが限界。

住所的には上屋久町。トカラ(十島村)突入は明日の楽しみ。

でもこの島の楽しみはいつもの宿と、見事な泉質の温泉です。

今回は寝待温泉。車を停めてお風呂に着くまで湯治場風の家(小屋?)の建っている場所を通って行きます。国内でも指折りの泉質と言われたこともあるらしいです。

でも前回も今回も混浴状態。私たちが行った時にはおじさん、おばさんが入っていてさすがに待ちました。

もちろん私たちは男女順番で入りましたよ!

寝待温泉への道

寝待温泉の建物
湯船はこんな感じ

いつもの気持ちのいい宿

食事はとっても美味しいです。

毎回新鮮なおどろきの夕ご飯のスズメダイ。島の人気はオヤビッチャだそうです。

民宿くちえらぶで夕飯

毎回スズメダイ類が出てきます。

遠く薩摩硫黄島が見えました。
朝のひととき

民宿くちえらぶ荘の外観   K.Kobori


トカラ突入

航海2日目はいよいよトカラ列島突入です。

いつもだったらまずトカラの北の端にありながら1級ポイントであるニヨンに潜るのですが、今回は怪しい低気圧が南の方で見え隠れ(かくれてないけど)

いきなりある意味トカラ列島の象徴的ポイントの臥蛇(がじゃ)島へ行くことにしました。

「今回はどんどん美味しいものから食べちゃえ作戦」です!

それにしても、見事な凪、鏡のような水面を船は走ります。

鏡のような海面に映る船と私たち!

・・

臥蛇島にやってきました

臥蛇島 木場の立神岩

臥蛇と言えば当然 「木場立神岩」

そびえたつ立神岩の目前で飛び込むと黒潮ブルーの海が広がっています。

水温は29℃、温〜い。潮流はここではめずらしくトロトロ、ごくゆっくりです。

この水温ではイソマグロあたりには高すぎか。名物ギンガメアジもなかなか落ち着いて姿を見せてくれません。

浮上寸前に私たちを取り巻くように湧き上がってきたギンガメアジたちでした。

itami
さすがギンガメアジの大群!

臥蛇の立神でこんなの撮ったり  Y.Asai

今年も来れましたね〜 しみじみ。。

小臥蛇島

臥蛇島の東には小臥蛇島があります。

ここの「沖の瀬」と言う場所はまたきれいな場所なのです。

入り組んだドロップオフにウメイロモドキやテングハギモドキで覆われます。

初夏にはスゴイ数のイソマグロなんかも見られると言う場所。

今回もずっと魚たちに囲まれました。

テングハギモドキとダイバー
テングハギモドキの大群   S.Asai

ウメイロモドキ     Y.Asai

小臥蛇 沖の瀬にて
itami

T.Matsui

小臥蛇島


またも秘湯

いつも横目で見るだけで通り過ぎていた諏訪瀬島。

火山好きな(そういう人もいるそうで)人には憧れの島だそうです。

今回はじめて上陸(宿泊)しました。

その前に 船でしか行くことの出来ない温泉(作地温泉)へ。もう秘湯中の秘湯ですね(笑)

でも、後で泊まった宿のおやじさんに話を聞いたら、本当にそこだったかやや怪しい雰囲気。

でも浸かった湯船?の底の方は確かに温かいお湯が出ていました。

この島ならどこでもお湯くらい出ちゃいそうではありますが。

船から岩場に上陸
ここが温泉! ??

諏訪瀬島で泊まった民宿 御岳  K.Kobori

諏訪瀬島には滑走路がありました。

諏訪瀬島

はじめての諏訪瀬島。

宿の超ハキハキの元気なおばちゃんといつもニコニコのおやじさん。

夕飯のBBQは美味しかったですね!

翌日は諏訪瀬島の須崎という場所の下で潜りました。

大きなゴロタの水路やそこに群れるハナゴイたち。ゆったり潜ることが出来ました。

浮上間際にギンガメアジの群れやツムブリ群れがやってきちゃうところはやっぱりトカラですが。

諏訪瀬島 須崎にて


臥蛇ふたたび

「美味しいものから食べちゃえ作戦」は今日も続行します。

船長さんたちに無理言ってちょっと距離のある臥蛇島にふたたび向かいます。

でもおいしい臥蛇はきのう食べちゃった(潜っちゃった)のだから作戦としてはおかしいのですが。

いつ海が荒れるかわからないとなかんとか理由をつけながら。

今回2回目の木場立神岩。

浅場からギンガメアジをさがしてキョロキョロ。

潮の流れはいいかんじです。

そして、いました、ギンガメアジ(の大群)!

目の前はギンガメでいっぱい!視界ぜんぶギンガメだらけ。

しばらく頭の中はギンガメアジが泳ぐほどたっぷり見ることが出来ました。

緊張と期待のエントリー  GO!!  Shiba

そして臥蛇島 木場の立神岩

やっぱり ギンガメパラダイス でした!

木場立神岩を横目にエキジット


興奮! 「雄神瀬」

予定では今日の2本目(あ、須崎からだから3本目)は小臥蛇の沖の瀬。

素晴らしいドロップオフのポイント。

でも船側Yさんから「ちょっと雄神瀬を見てから考えます?」

できたら避けたい名前です。

黒潮本流の只中に沈む隠れ根(こっちふうには沈み瀬)

ほぼいつも激流。

人間なんぞが潜れる時間はほんのわずか、、のはず。

薦めにしたがい

嫌々(?)ワタシは船のナオミちゃんととりあえずスキンダイビングで見に行くことに。

これってまずいですよね。

そこまでしちゃったら可愛い子猫を抱っこさせて「いらなきゃ捨てますが」と言っているようなもの。

もちろんワタシの思いはすべて参加の皆さんのため。

自分が潜りたくなっちゃった、とかはいっさい関係ありませんので!  だいたいは。。

スキンDで浮かんでいる水面までツムブリがわきあがってきてワタシを取り囲みます。

スキンダイビングで見てみると雄神瀬にしてはOKな状況で潜れそう。

そんな訳で仕方なく??雄神瀬にGOということにしてしまいました。

ツムブリをかきわけ瀬に向かいます Y.Asai

こっちは必死に掴まっているのに  S.Asai
ツムブリ、テングハギモドキ

itami
イソマグロ         Y.Asai

劇場!        T.Matsui

雄神瀬での動画はこちら

楽しかったですね〜!

飛び込んだ雄神瀬。

飛び込んでからヘッドファーストで向かう岩と私たちの間にツムブリの大群が入ってきます。

ツムブリをかきわけながら岩に取り付くとそこはもう「劇場状態!」

潮流の当たる瀬(岩)の上から前面に出るあたりの流れは強烈。ほんの数メートルを皆さん必死に進みます。

岩を掴んで前進しますが、片手の力では進みきれない場所もあります。

でも先に見える劇場目指してみんな来ます!

岩の前面に降りればそこは潮流もしのぐにお誂えむき。

ツムブリ、ギンガメアジ、テングハギモドキ、どれもが大群。しかも手が届きそうなところで。

特大イソマグロやロウニンアジまでめまぐるしく現われる魚たち!

すばらしいダイビングの多かった今回のトカラツアーでもNO.1のダイブだったかもしれません。

いつでも潜れる場所ではない雄神瀬。

メンバーの皆さんにも忘れられない1本になったのではないでしょうか。


トカラでこんな料理が! 中之島 海游倶楽部

ウチのトカラクルーズでおなじみなこと。

海游倶楽部でのお泊りです。

中之島の高原にあって毎回素晴らしいお料理を出してくれます!

今回もイタリアン。

遠くから取り寄せたもの、海游倶楽部のお庭で栽培したもの、工夫を凝らせたお料理はどれも見事なものです。

このような秘境ダイビングの旅ですが、宿泊やお料理が楽しめるなんて海游倶楽部の存在が本当にありがたいですね!

中之島の高原にある「海游倶楽部」 S.Asai

海游倶楽部
海游倶楽部のおふたりと


ニヨン

美味しいものの中で残っていたもの、

ニヨンでした

いよいよトカラを離れ北上する4日目。

さすがうねりと風波が出始めた海を北に向かって走ります。

このぶんではキビシイかと思われましたが浅瀬からなるニヨン礁。そのあたりだけ静かになっています。

飛び込むといつもながらの真っ青な世界と魚たち。

いつものギンガメアジの大群はなかなか近くに来てはくれませんがムレハタタテダイの大群はあいかわらず。

潜った後は、希望者の方はニヨン灯台へ上陸。

視界が良く北には屋久島、南にはトカラ列島まではっきり見えます。

すぐ下の海はニヨンらしい激流がビビらせてくれていました。

ニヨンの中でいつも潜る岩
ニヨンのムレハタタテダイ

ニヨン灯台

はしごで上り下り
みはらし最高〜

灯台から見たトカラの島々  Y.Asai


ニヨン〜口永良部島〜硫黄島

ニヨンをで潜った後はついにトカラ列島を後にしさらに北上します。

風やうねりの影響もあったので口永良部島の静かな場所で潜ることにしました。

船も島の人から聞いたことがあるという沈み瀬を探してみます。

沖に向かっていくつか点々と立ち上がる瀬(岩)。

いちばん沖側の瀬が水深5mくらいから一気に40m(目測)くらいまで落ち込んでいます。

いいじゃないですか。みごとな地形ですがゆったり潜れます。

キンギョハナダイの大群やメジナの大群、南方系のヤッコ類も豊富です。

それにしてもこのあたりはウミヘビが多いです。

臥蛇の立神がギンガメパラダイスならここは「ウミヘビパラダイス」…ですか。。?

最後のお泊りはおなじみ、薩摩硫黄島。

イワシでよく行くので麻痺し気味ですが、国内有数の秘湯「東温泉」はやっぱり良いです!

何かの幼魚の大群   S.Asai
このあたりはウミヘビがいっぱい  itami

おなじみ、硫黄島 東温泉!

いつもながら赤い薩摩硫黄島の港。
屋久島もこんなに良く見えました S.Asai


ラストは湯瀬で

硫黄島で泊まった翌日のラストダイブは湯瀬で。

またもミラクル、海は静か、絶好の湯瀬日和!

今回は潮流もちょうど良し、潜りやすいくらいです。

そして、ラストを飾るにふさわしいダイビングとなりました。

オキアジ群れ、ギンガメアジ大群、メジロザメ、イソマグロ、ツムブリ、ムレハタタテダイ大群、メジナたっぷり。

すばらしいトカラ列島クルーズとなりました。

湯瀬

湯瀬名物 オキアジの群れ   Y.Asai
これも名物かっ飛ぶギンガメアジ Y.Asai

ギンガメアジ群れ   Y.Asai


お疲れ様でした!

またきっとトカラへ!!


芝さんの写真はこちら

おわり

Top Page

iwashi-d@divers.ne.jp