H.Kentaroの写真 「こだわりの伊豆」

Vol.2

『勝負』


ネジリンボウ & ヒレナガネジリンボウ & テッポウエビ×2

西伊豆 土肥 通り崎湾内にて

ネジリンボウ & ヒレナガネジリンボウ & テッポウエビ×2

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ハゼの撮影はいつもワクワクする。特に巣穴に住んでいるものが相手だとコーフンしてしまう。これらのハゼは危険を感じると素早く穴に逃げ込んでしまう。コイツを引っ込ませないようにどこまで近づいて撮影することが出来るか。このかけひきがたまらないのである。
ターゲットのハゼを見つけたら、まず少し離れたところに静かに着底する。そして海底に這いつくばりハゼにジリジリとにじりよる。ファインダーを覗いてピントを合わせシャッターを押す。さらに近づきパシャ。絞りを変えてパシャ。もっと近づきパシャ。気持ちイイのである。快感である。ニヤリとしてしまう。だんだん気分がハイテンションになっていく。獲物までの距離はこの時1m。そろそろ本番である。呼吸を落ち着ける。ハゼはレギュレーターの呼吸音に敏感だ。音に驚いてすぐに逃げてしまう。そこで限界まで近づくときは息を止める。 本当はやってはいけない事だが僕は気にしない。気合が入っていれば1分30秒はいける。苦しい。これで何回 窒息しそうになったことか。しかしこれだけやっても近よれないハゼが時々いる。どうするか。待つのである。距離を詰めるまで30分でも1時間でもトコトン粘るのである。相手はナマモノである。待つしかない。そしてついにレンズの最短撮影距離の10cmまでハゼに接近する事が出来た時!この瞬間、喜びが全身を 駆けめぐる。こんなにうれしいことはない。℃∴Eはオレのものだ!悼!!!!楳驕B浮世のことはすべて忘れ素晴らしい時が流れていく。勝利の美酒に酔いしれてしまうのである。
ハゼ・・・ちっぽけなサカナである。コイツの何が僕を狂わせるのだろうか。僕にとって魔性のサカナである。


○1996年10月25日(日) ○西伊豆 土肥通り崎湾内 -11m ○1/60 f11 RVP
○撮影 細田健太郎     ○ネクサスF90+105mm ○YS50+YS20


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