あの島この島 Maldives

あのしまこのしま(島の印象)

Maldives

今から10年ほど前に初めてモルディブを訪れてからなんとなく気にいってなんどか行ってきた。それなりに遠い国でありながら日本ではかなりポピュラーなビーチリゾートでツアー代金もパラオより多少高いくらいで行けるのも理由のひとつである。しかし、なんといっても ハワイなどと違いアメリカの香りがほとんどしないヨーロピアンリゾートであることがとてもうれしい。それでも その島によってドイツ人の多い島、イタリア人の多い島、それから日本人の多い島などがあってそれぞれの雰囲気がかなり違っている。それぞれの島ごとにまるで別の国のリゾートのような一面をも持っているのだ。それだけとってみてもモルディブをひとつの存在としてはとても捉え切れないものがあるだろう。

私はこれまでモルディブの多くの島のなかで8島に訪れた。全体からすればほんのわずかではありますがひとつの区切りとしてここいらで島の印象を書いてみることにしてみた。 当然、私個人の独断と偏見ということになるが旅の印象なんてそのようなものだと思う。又、現在ではすっかり改装されて全く違うホテルになっているところもあると思うのだが アシカラズ。

「1.ヴァドゥ、2.ランナリ、3.ビヤドゥ、4.バンドス、5.マヤフシ、6.バタラ、7.ビラメンドゥ、8.ギラーワル」

(イワシダイバーズ 小松たけし)


VADOO 1.ヴァドゥ (南マーレアトールの一番北)

初めてのモルディブで訪れた島。空港からスピードボートでわりとすぐの島。支配人が日本人でレセプションには日本語の通じるスリランカ人とダイビングスタッフにも日本人がいて正直言って初モルディブの私にはけっこう心強かったですね。ゲストは日本人が7〜8人といったところで他はイタリア人とドイツ人だったと思います。(最近では数人の日本人ダイビングインストラクターが常駐しているようで日本人ダイバーが多く来ているようです。)

ハウスリーフ フィッシュ シャワー

ここのハウスリーフはおもしろかったですねぇ。泳ぎ出したすぐのところのドロップオフにギンガメアジが群れていてよくマダラトビエイなども来ていました。タンクをしょって少し行くと砂地にガーデンイールだとかハゼ類が見れるところがありました。ほとんど、ここではハウスリーフで遊んでました。

部屋

私は水上コテージではないビラのほうに泊まっていました。とくにどうということのないこざっぱりした部屋でした。現地で知り合った日本人カップルが水上コテージに泊まっていたのでそちらの方も見てきましたがこれはもう新婚さんがと〜っても喜びそうな造りでした。モルディブ人のハウスキーパーに夜になると水上コテージに渡る木の廊下がギシギシゆれるから見に行こうと誘われましたが一人旅のなか 他人の幸せをのぞいたってなんだから とりあえず丁重にお断りしときました。

食事

このころのモルディブではまだ野菜が少ないらしく毎食魚料理のくりかえしでした。あとで聞いたらカツオ、カジキ、ツムブリとのこと。かなり飽きましたが今では食事はとても良くなったと支配人さんが力説していたとのことでした。まぁ、食事が悪くては日本人は呼べないだろうね。


RANNALHI2.ランナリ (南マーレアトル)夕暮れのビーチ

空港からドーニ(足の遅い船)で夜空のなかを数時間かかる。島々の灯かりをみながらトコトコ行くのもけっこうオツなもの。日本人はほとんどいませんでした。ゲストはやはりドイツ人イタリア人が多く、部屋などの施設は改修間近といった感じでかなり古る目でした。しかし、この こじんまりした島のフレンドリーでアットホームな雰囲気が一気にモルディブびいきになるきっかけとなった気がします。

ダイビング

ハウスリーフはエダサンゴが密生していてとてもリッチなものでした。しかし、その時は水がかなり濁っていて 島ではのんびりしているかダイビングはボートに乗ることが多くなりました。その時のガイド(オーストリア人1人、ドイツ人2人)とウマがあってとても楽しいボートトリップとなりました。ポイントは南マーレの西側が多く、やはり水は濁っていることが多かった様に思います。一度だけ東側まで2時間かけて遠征した時にはその水のきれいさに同じ南マーレでもずいぶんと水が違うことを教えられました。

島の雰囲気 島の中程にて

フレンドリーとはこうゆうことかと思いました。ホテル側のイベントとしてではなくダイビングインストラクターがみんな(ノンダイバーにも)に声をかけてビールとポテトチップスくらいのビーチパーティーを開いたりしてました。ギター一本で深夜まで私でも知っている歌(ビートルズやイーグルスなど)をみんなで合唱したりしました。その合間にも同じダイビングを生業とするもの同士で世界の海の話や苦労話をしたりしました。(その後、毎晩彼らにつかまってヨーロッパのPADIをとって紅海へ行こうなどと熱心に誘われましたが私は英語がダメだって言ってんのに・・)海はともかく いろいろと想い出の多い島です。

部屋

一戸建ての独立コテージでしたがかなり古そうなものでした。私の部屋はトイレが流れず、とくに大のほうは本当に困りました。(スタッフに苦情を言ってもなかなか改善されない。)困った挙げ句、夜明けの海に素っ裸で泳ぎ出し思う存分 大をしてやりました。しかし、朝になって もしこの美しいビーチに私の分身が流れ着いたらと思うと気が気ではありませんでした。でも、建物はこじんまりしていて感じは良かったですよ。


BIYADOO 3. ビヤドゥ (南マーレアトール)魚の輪

ハウスリーフ

いままで行った島の中では私としては一番のハウスリーフですね。エントリーポイント(リーフの切れ目)がいくつかあって、ギンガメアジが群れているところはスーケリングでとても楽しい。それから少し歩いたところから入るポイントは沖に向かって根が伸びていてモルディブでよくあるドロップオフを行ったりきたりとか丸い岩を一回りと言った感じではなくて、根の先端に近付くと流れもあり、魚も多いといった変化のある ポイントらしいポイント。特におもしろっかったのは日没前にエントリーする「夕暮れダイビング。」 イソマグロ、カスミアジなどがお食事のためにバンバンすっ飛んでいました。とにかく、ビーチエントリーで迫力満点のダイビングが出来ました。

ボートダイビング

この時もハウスリーフがおもしろかったこともあり あまりボートには乗らなかったんだけど割と近くにあるグライドゥコーナーはなかなかエキサイティングでした。浅場にはムレハタタテの大群やパウダーブルーサージォンフィッシュが彩りを添え、潮の当たるところ(深場ですが)ではメジロザメやマダラトビエイやイソマグロが深いブルーをバックに沸いてきていました。その他のポイントでもマンタがよく出るポイントもあるそうです。

施設

ここの部屋は2階建てのビラタイプで私が泊まっていた部屋は海に面してはいませんでした。部屋の中はこぎれいではあるもののモルディブらしさと言う点ではこれといったものは無かったかな。

ゲスト

雑誌などでよくとりあげることもあって日本人ダイバーも多く見かけました。日本人インストラクターもいるのですがなにか疲れ果てているといった感じでした。私もズブズブの日本人であるわけですが海外で日本人が多い場所というのは多少居心地の悪い印象があります。どうやら、日本人が多い場所というのは現地の外国人スタッフには日本人に対してあまり良くない印象と言うか先入観がかなり見受けられるのです。(日本人は適当にあしらってもわかりゃしないよって感じで・・)


BANDOS 4.バンドス (北マーレ、空港からわりとすぐ)Hana

この年、土壇場になってリクエストしていた島がダメになって5部屋確保するために(ツアーだったので)この大きな島に行くこととなりました。その後も他の島の予約がとりづらい時にもバンドスならとれると言う言葉をよく聞きました。

ハウスリーフ

けっこう魚も多く、楽しめるところでした。しかし、基本的に地形が単調なのとエントリーポイントが一ヶ所なので変化をつけるためにもボートにもよく乗りました。

ボートダイビング

ここのボートはなんと形こそドーニ(モルディブ特有の船、通常は木製。)なのですが材質はFRPで出来ていて船足もけっこう早いのには驚きまました。ところで、ダイビングポイントはバナナリーフやパラダイスなどの有名ポイントに近く有名ポイント潜り倒したい派にはいいかも。それらのポイントについては一度ずつしか潜っていないのでなんとも言えませんが人が多く、多少中が荒れている印象を受けました。だからといってポイント自体がやさしいわけでもないのに「先週 Cカードを取ってきました。」なんていう新婚風のダイバーさんも平気で連れて行かれているのを見ると空恐ろしい気がしました。

施設

部屋のナンバーが200番以上あるのでかなりの部屋数があるようです。隣の部屋が近すぎるという難点はあったもののビーチに面していて、悪くはなかったですよ。島の中にはCNNの見れるテレビがあったり託児所があったりと豪華ではないけれど不便は何も無いと言えるだけの施設ではありました。(きっと、いつもはハワイ、しかもオアフに旅行することが多く、近場では箱根〇涌園なんかを得意としている人には十分な施設のわりにリーズナブルな料金でいいかも。)しかし、食事はほとんどビュッフェスタイルで量、品数とも申し分なく満足できるものでした。


MAYAAFUSHI 5.マヤフシ (アリアトールの半分より上の方)

お客さんを連れてバンドスに滞在した後(お客さんは他のスタッフが同行し、無事帰国。)、私の帰りのチケットがどうしても取れず、旅行会社に一週間後の帰れる日までどこでもいいからホテル代の安い島とのリクエストを出しました。その結果、マヤフシと決まったわけですが(決まったのは前日) 前知識はまったく無し。そして、またもや突発的ながら一人旅に。少し不安。でも とてもワクワク。

ドイツ人ダイバーの島

現在はわからないけどその頃 ドイツ人のハーバード(モルディブで初めてシャークショーをした人だとか)という爺様がダイビングセンターの大将をしていました。この人がドイツではかなり有名なダイバーで、来ていたドイツ人ダイバーはこのオッサンに憧れてきている人が多いみたいでした。ポイントは島のすぐそばのマヤティラやアリ環礁でNo.1の声の高いフィッシュヘッドによく行きました。ときどき、もったいぶってオッサンが登場し マヤティラでメジロザメの餌付けショーをやってましたが 餌付けショーの善し悪しは別にしてサメよりこのオッサンの迫力にはけっこう楽しませてもらいました。ダイビング自体は島の近くに好ポイントも多いしここに来るダイバーは気合が入っていてノリノリダイビングが出来ました。ハウスリーフは幾分 単調でたまにスノーケリングをするくらいでした。

美しいビーチ

この島はクロワッサンのような形をしていてその内側と両側の突き出た部分が広く砂浜が伸びていました。ここに来てつくずく思いましたがいいビーチがあるところはとても贅沢な気分になります。やはり、島を選ぶ時にはハウスリーフやボートダイビングの良さと並んでビーチの美しさはとても重要なポイントとなりますね。

施設、雰囲気

その後、改装したとのことですがその時には施設はお世辞にもいいとは言えず、寝るのとシャワー(もちろんお湯ではない)以外は部屋にいる気のしなかった記憶があります。(古くて、暗い室内) しかし、かえってそれが良かったようで いつも外にいることになり、レセプション前で「国際卓球大会」をしたり、日、独、伊(まるで昔の同盟国みたいだけど)のビーチパーティーをしたりと、一人旅ながら(ならでは?)とても楽しい時間を過ごしました。やはり、島は出来る限り 小さくて質素なほうが結局 楽しいと思います。


BATHALA 6.バタラ (アリアトールの上の方)

前に行ったマヤフシのとなりにあって、マヤフシからスノーケリングツアーに行った人から魚はすごく多いし、建物もかわいいとの話を聞きすぐにバタラ行きの計画を立てました。その時には旅行会社の人もモルディブ通の人もバタラなんか止したほうがいいとさんざん言われました。どうやら その理由としては施設の質素さにあったようですがこちらとしては海と雰囲気さえ良ければテント暮らしだって構わない訳でかまわず予約をした次第です。

ハウスリーフ、ボートダイビング パウダーブルーサージョンフィッシュ

ここのハウスリーフも良かったですね。片側はギンガメアジの群れがいつもいて夕方にはマダラエイも必ずやってきます。パウダーブルーサージォンフィッシュも群れています。そして もう片側は白い砂地がすぅーっと落ちていてタンク潜りも楽しみました。 ボートダイビングではほとんどマヤフシと同じポイントで充分 満足できました。

施設、雰囲気 バタラのコテージ

部屋は一棟独立型で部屋によってはほとんどオンザビーチといった感じでした。コテージは丸い形をしておりトイレ、シャワー(温水ではなかった)が半外にあります。室内も決して豪華でも新しくもありませんでしたがムダなくらいの広さがとても気に入りました。島全体の雰囲気もとても静かだし何より部屋数が少ないので部屋と部屋の間隔が適度に空いていていつもリラックス出来ました。また、ここのスタッフもシャイだけどスレていなくて感じ良かったですよ。しかしその後、日本の雑誌などでとりあげられ人気が上がったようでさっぱり予約が取れなくなりました。残念。


VILAMENDOO 7.ヴィラメンドゥ (アリアトール 下の方) 魚を狙うサギ

年末年始でバタラがオーバーブッキングで出発1週間前にヴィラメンドゥに決まったといういきさつがありました。不安を抱きながら現地に着いてみるとやっぱり部屋が足りず島の中央あたりのスタッフルームに押込まれる・・ 。お客さんを連れていたので とにかく交渉、また交渉。空いた時間はすべてレセプションに張り付いてやろうと考えました。それでも、不幸中の幸い(?)に現地のスタッフ(モルディブ人)はそれなりにこちらの希望に耳を貸してくれて、なんとか数日かかりましたが海辺のコテージに移ることが出来ました。あぁー疲れた。

ダイビング

ダイビングスタッフのチーフは見るからに神経質そうなドイツ人。早口の英語でまくしたてて、理解しきれない私たちに苛立っていました。(仕方ないだろう、タコ!)しかし、私たちに付いてくれたのは親切で気のいいベルギー人でした。彼のおかげでなんとか楽しいダイビングとなりました。ハウスリーフはそこそこ魚も多いし潮通しもいいのですが単調な地形の為、数本続けて潜るにはチト苦しい。(フィッシュウォッチングマニアなら大丈夫かな)ボートポイントはアリアトールの北の方に比べると魚影が薄かった(その時は)印象があります。それでも、2時間かけて行ったマンタポイントではさんざんマンタのホバーリングを見ることが出来たし、思いがけずジンベエザメにも遭遇することができました。

施設

はじめに入れられたスタッフルームはともかくとして海に面したコテージは1棟2部屋が基本で、まだ新しく清潔感がありました。やはり、トイレ、バスは半外で用足しの時は不思議な開放感が味わえます。難を言えば、部屋と部屋の間隔が狭く、長屋住まいの感がありました。レセプションの近くにはここにも卓球台があって またもや国際卓球大会をしてしまいました。ミスしたひとはシッペの罰のルールに。どういう訳かそのシッペがドイツ人達に大ウケしました。私は17歳のドイツ人の女の子に生まれて初めてシッペしました。(最初は軽くシッペしたのですがその子の目が「ちゃんと打ってくれなきゃイヤヨ・・」と色っぽく訴えていた気がしてオジサンの心は乱れそうになってしまいました。)


GIRAAVARU 8.ギラーバル (北マーレアトールの一番下) ヤシの木

この年の年末年始、ツアーの予約には本当に苦労しました。最後には選択の余地は無く、モルディブに行きたいならギラーバルしかない状態でした。空港から近い割には日本からのゲストはごく少ないとのことで、各部屋にテレビが付いているなど私には無縁と思われた豪華系ホテルで料金も上の下といったところでしょうか。

ダイビング

この年は天候が悪く、終日雨の日が何日かありました。風も強く、ハウスリーフでは南国とは思えない海況の中エントリーをしていました。内側のハウスリーフはかなり濁っていたのですが砂地に根が点在していてここにもギンガメアジが群れていました。条件のいい時ならなかなか楽しいのではないでしょうか。この島ではダイビングはそれほど盛んではなく申し込みもなんだかややこしいものがありました。ボートダイビングのポイントはライオンズヘッドなどの外洋系が水も良く楽しかったです。

施設

部屋は長屋風で2階建てと平屋があって各部屋にテレビが付いていました。いろいろ揃っている割には室内は狭目でした。もちろんテレビはつけていてもほとんど何を言っているのかはわかりませんが(CNNの他はインドとか中東の共通番組?)コマーシャルと変なインド映画にはつい引き込まれる面白さがありました。そして、またまた ここにも卓球コーナーがあって 義務のように卓球をしていました。(ホテルのスタッフは他にやることが無いのか私たちよりも卓球のレベルが段違いに上手。それから彼らは日本を卓球の国だと勘違いをしているふしがある。それって、中国人と間違っていませんか?)又、ホテル内には宝石ショップなどがあったりしてかなり派手目。スタッフはよく教育が行き届いているほうだとおもいます。(対応はスマート系)


おわり

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