トカラ列島 悪石島 旅行記

2002年10月21日〜28日

後編

この日記の前編では訳のわからないうちに作業をしていたというお話でしたが後編では島や鹿児島などのお話です。

島の何箇所かにある看板式の地図。右上のヘンな仮面はお盆の最後に現れる「ボゼ」っていう(秋田のナマハゲ)みたいなのかな。これってニューギニアあたりにそっくりな風習があるそうで他のトカラの島にはないそうです。ひょっとしてニューギニアあたりの人が大昔に黒潮に乗ってつたえたものなのかな?


悪石島って名前

トカラ列島には臥蛇島(ガジャ島)だの悪石島だのとなんとも恐ろしげな名前が多いようで。臥蛇のことはわからないのですが悪石島にはその名前の由来にはいくつかあるようで、島の土地はどこも石がガンガラあって崖からはいつも石が落ちてきそうなくらいです。だから悪石島と呼ばれるようになったという説と、このあたりは昔平家の落人が流れてきて隠れ住んだとか。その人たちが追手が近づきたくないような名前にした説もあるそうです。そういえばトカラ列島には平家の落人だからか平(タイラ)島というのもありますね。


フェリーとしま丸。千数百トン。車も積めて上にはヘリポートもある。進水したのは最近らしい。

走る「としま丸」からはいつもどこかの島が見える。後に見えるのは諏訪瀬島。(中ノ島だっけ??)

例えば豆南諸島クルーズでのどこを見ても「海」というのもいいけど、トカラ列島のように島をみながらの航海もいい。


このあたりが悪石島のメインの交差点です、多分。

トカラの島々はやはりかなりの離島と言えるでしょう。船に乗って行くときの所要時間は伊豆諸島とかわらないのだけど、なにしろ飛行機がない。鹿児島でも奄美大島でも行くのには10時間前後はかかってしまう。

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島には商店が1件あるだけ。商店と言っても普通の家にしか見えないけど。。しかも朝と夕方に開いているらしいけどそれも気分次第。ちなみに自動販売機はひとつもありません。おかげで缶コーヒーはほとんど飲まずにすみました。

宿です。イワシメンバーの中には3年前に泊まったことある人も。

この島で大変なのは集落から港までは長い山道を通らないと行けないことです。港近くにも数件の家はあるけど多くは山の上にある。とても歩いては行こうと言う気にはならない距離です。

島では電話は約30回線ぐらいが利用されているとのこと。今回の工事は数千万円の工費らしい。考えてみたら一軒あたりの..考えても仕方ないか...

港はこれだけです。でもトカラの島で一番船が着きやすいそうです。(島の人談)

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離島にありがちな小中あわせた学校。現在は小学生7人、中学生3人とか。

若い人がいるなと思うと多くは学校の先生。生徒数人に先生数人。彼らはどこで会っても「コンニチハ!」と大きな声で挨拶してくれます。温泉場にあった文集の名前を見ていたら同じ苗字だらけ。実際ほとんどが親戚なんだろうけどそれはおいておいてもみんな家族か兄弟みたいなんだろうな。

週に約2回のとしま丸の入港の時には港に子供達の姿が目立つ。わけを聞くとアイスを買うためとか。船にヒョコヒョコ入っていったりする。なるほど…

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合間ではあったけどちょっとファンダイブ。海は折からの時化で潜ることができたのは港を中心にした島のそっち向きのあたり。

透明度は抜群、青が見事です。

0トカラ列島とか、悪石島とかというとどうしても大物ガンガンの海というイメージがあるけど仕方なく?潜ったような場所でもその生き生きとした水底には感動してしまう。

ウメイロモドキ達がなぜか寄ってきました。

こういう海は沖縄や海外でけっこう潜り込んだ人にも見てもらいたい。その価値を実感できるのではないだろうか。

トカラ列島では北からは悪石までは岩がちの島でその南の小宝島、宝島は隆起サンゴの島となる。当然そのあたりは沖縄の海と同じ感じの明るいサンゴ礁となる。

悪石島の水底にもサンゴは多い。しかしサンゴ礁という感じではないし目立ったリーフも無い。

南九州から奄美あたりではウミヘビをよく見ます。

沖縄の西側を北上してきた黒潮は通常は悪石島とその北側の諏訪瀬島の間を通り太平洋側に出るという。手付かずで黒潮ぶち当たるといったらそりゃ元気な海なのは当たり前かな。

カメは1ダイブで3〜4匹は見ました。

今回潜ることができたなかでもウメイロモドキ、クマザサハナムロ、タカサゴの数の多いことが印象的。砂浜もないのにやたらカメが多いのも不思議だった。

カマスの群れ。きれいな群れでした。
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北の立神岩
九州からトカラにかけては立ち上がった岩には立神岩と名付けられることがおおいようだ。悪石島の立神岩も実にそそる。大立神には以前に数回潜ったがダイナミックでとても難しい海だった。今回は残念ながら時化でとても行ける状況ではなかった。もっとも時化でなくても潮が速すぎて潜れないことなどあたりまえの場所なのだ。

大立神岩と小立神岩 


悪石島も他のトカラの島と同様温泉がある。湯は鉄分というか硫黄分というかけっこう香りがする温泉。内風呂、露天風呂、砂蒸し風呂など。お湯は海岸のそばにあるのに塩っぽくないのは山が豊かなせいだろうか。

作業が続くとき唯一の楽しみはこの温泉

湯泊温泉。室内の温泉

波打ち際にも温泉が湧く。

砂蒸し温泉ですが屋根が台風で後の崖に倒れています。崖の右に見える黄色は硫黄分です。

砂上にも台風の傷跡が残っています。でも砂を触るとかなり熱い。有名な指宿の砂蒸しより熱いとか。



おまけ

(鹿児島観光もしちゃいました)

鹿児島といえばやはり桜島。真ん中に見える海は錦港湾。島津なんとかの殿様の別邸跡にある仙厳園からのぞむ。

市内の足のひとつに市電があります。東京や横浜では廃止されて久しいので記憶も薄くつい写真を撮ってしまった。

おっ!ジンベエだ!?

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実はこんな状況でした。

鹿児島水族館にて。

知覧まで足をのばして武家屋敷も見物。知覧といえば特攻隊基地跡だけど写真はなんとなく撮る気にはならなかった。

トカラ航路のとしま丸、薩摩硫黄島など三島村に行くみしま丸、屋久島フェリーなどが発着する鹿児島港南埠頭。ここからも桜島が目前に見える。



深く考えずに行ってしまった今回のトカラ悪石島。内容はどうも思わぬ方向へ行ってしまったけどこれもまた楽しい旅行でした。さて、皆さんが思うところはダイブクルーズをやるのかなといったところでは?行きたいですね〜!最近は南九州エリア、そしてこのトカラ列島にかなりココロ奪われています。ホントにいろんな海を見てきた人にもただ海が好きな人にも見てもらいたい、そんな海と島でした。

おわり


悪石島旅行記 前編

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