黒潮の力 与那国島


フィリピン付近から始まる巨大な流れ、黒潮。与那国島にはその黒潮本流がもろにぶつかる。当然さまざまな生物が島付近を通ることになる。なんといっても与那国の海の魅力はそれらとの遭遇にあるだろう。私は1992,1993年とこの島でガイドとして滞在していた。1日だって気は抜けない。なにが出るかわからない。海というのは身近ではあっても圧倒的な野生の世界であることを強引に認識させられた。そこには冒険、探検ダイビングがあった。日本の西の端にある島。日本で黒潮が一番初めに当たる島。その特異な存在が際立つ。


なんだかんだいっても 与那国名物 「ハンマーヘッドシャーク」

ハンマーヘッドシャーク

いつもの場所でハンマーを待つ。青のかなたに白くゆらめく無数の影。いけるかな?群れの向きは悪くない。岩陰から岩陰へ流れにさからい群れと平行に泳ぎながらも次第に距離をつめる。まだか?水深はどれくらいか。息はすでにあがっている。クラクラする頭でおもむろに上を見る。入った!まわりはもうサメだらけだ。とにかくシャッターを押す。
なんて こわおもしろいんだろう。

この写真を見るとその頃のことを思い出す。群れを追わずに群れに入る。なにか写真を撮ることよりも群れに入ることに喜びを感じていたような気がする。サメ達に海の一員と認められたような錯覚を覚えたのだろう。
冬から春、この島のすぐ近くにはアカシュモクザメが集まる。黒潮の海ならではの迫力の風物詩である。


ひとりぼっちの流れ者 「シコンハタタテハゼ」

いつもアケボノハゼを見に行く場所のすぐそばに変わった奴がいるなとは気にかかっていた。図鑑を見ても良くわからないし。私たちは
カオアオスジハゼ と呼んでいた。その数ヶ月後、この魚が某島で日本初記録されたとの記事がでていた。ここには前からいたのに・・・
和名はまだなくてナントカヘルフリッチだって。 あぁ、勉強不足が身にしみる。

珍魚ブームに乗るのは嫌だけど、いつもと違う顔があると気にかかる。それにしても南方系の魚だったらこの島にはあっさりいたりする。なんてったって黒潮が最初に当たる島なのだから。


黒潮当たる巨岩 「ハンマーヘッドロック」

島の西の端、西崎(イリザキ)。 ここではジンベエやマンタ、カジキも通るまさしく黒潮本流の海。しかしここの楽しさはなんといってもそのダイビングスタイル。ハンマーウェイ、南の根、ハンマーヘッドロックと黒潮に乗ってぶん流せば YONAGUNI BLUE の向こうに巨岩がそびえる。ハンマーヘッドだってこのスピード感あふれるスーパードリフトダイビングの引立て役か?!

どんな魚を見たとか見ないとか。 それとは別なダイビングの快感があることを教えてくれる。たまにはどうぞ!
こんなダイビング。


与那国馬></CENTER></TD>

    <TD WIDTH=

東崎灯台

立神岩

「与那国馬の親子」

海を見渡す牧場で放牧される与那国馬。体は小さいが丈夫だそうな。海の青と草の緑、その中で牛や馬達がよく映える。

「東崎灯台と牧場」

晴れた日には遠く西表島が見える。最西端の西崎が有名だが 気持ちの良さではこちらもなかなか捨てがたい場所。

「立神岩」

島の伝説ともなっている奇岩。水中のダイナミックな景観を想像させてくれる。観光ポスターでもおなじみの名所でもある。


遺跡ポイント

バラクーダの群れ

人工物か自然の産物か・・ 謎のままのものだってあったほうがいいような気がする。 (遺跡ポイント) 神出鬼没なバラクーダの群れ。愛想は良くないがやっぱりカッコイイ。 (西崎)

クダゴンベ

イソマグロ

何の気なしにイソバナを見るとちょこんと止まっている。写真に撮るとその赤さと緑の目がよくわかる。 (ダンノ) 南の根で見るイソマグロは特に勇壮だ。強烈な流れの中、根のすぐそばを泳ぐ2メートル級のこいつらの姿を目線で見られる。 (西崎)

.

.

.

.

この海!vol.1 与那国島 おわり


● ハンマー! ハンマー!(ハンマーヘッドシャークにまつわる話)

Top Page

e-mal : iwashi-d@divers.ne.jp