ツアーログ2001

2001年7月13日〜15日

赤いフラッグ印は今回潜った場所


1.秋目 平崎曽根

2.久多島

3.宇治群島 北端

4.宇治群島 鮫島

5.鷹島 沈み瀬


先週の台風4号に続いて5号が南西諸島を襲うのではないかと心配したがほどなく熱帯低気圧に変わり勢力を弱めて中国大陸へ行った。7月も中旬だと言うのにこう台風が続いて来るなんてとやりばのないイライラだったがすっかり元気になってくる。

九州薩摩地方は前日までは雷をともなった大雨だったとのこと。しかし、当日は暑くて参るくらいに天気は回復していた。朝、羽田を出発し鹿児島空港〜加世田〜坊津秋目には昼頃に到着する。この時期は明るい時間が長いのでけっこう遊べる。

このツアーも昨年に続いて3回目。偶然に始まったが(初めての折、思いがけずこの静かな漁村と旅館がんじん荘と快速船しおり丸と出会ったのだ)まだまだ訪ねていない海と「岩」が数多くある。沿岸から50〜70km離れた無人の島と岩。

ダイビングポイントかどうかなんて知らない。少なくともガイドブックに水底地図があるような海ではない。島や岩がその野生の水中を連想させる。そんな光景があるからその下の水中を見てみたくなる。ダイビング遊びの本能ではないかと思う。

宇治家島にて


まずは体慣らし 「平崎曽根」

昨日までの大雨の影響か、沿岸(ここは湾内だが)かなり濁っている。ずいぶんと川から泥水が流れ込んだのだろう。ここのところ九州は大雨のニュースが多かったし。水温は下で24℃くらい、透明度は8m前後だろうか。潮流は弱く穏やかな場所だ。昨年もここに潜ったが(昨年は20m以上見えていた)やはり素晴らしい魚影である。小アジの途切れない大群、イサキの群れ、カンパチの群れ。テーブルサンゴがびっしりの根にはやたらとガンガゼとクマノミが。またトサヤッコ、タテキン、アブラヤッコ、モンガラカワハギなどが当たり前のように。このあともずっと続くがミギマキやニザダイなんかと混在する(我々関東のダイバーにとっては)節操のない生物相なのである。

岩はじめ 「久多島」

久多島は鹿児島県本土の岸が見えているが岸からは近くはなくその姿はもんくなしに格好いい岩である。この島にはカツオ鳥が住み、ドン深で潮流もモロに当たる1級の場所である。残念ながら濁りはここにも及び8〜10mくらいの透明度である。潮カゲで水底がなだらかな側で岩に船を寄せいっせいにEN.即潜降する。中は濁ってはいるがキビナゴの大群が行き交っている。メジナ、ニザダイの群れも目立つ。水底にはアラ、マダラエイがけっこう見える。何故かここはキハッソクがやたらと目に付く。岸が見えていてもバリバリの野生の海である。

オマケの話だが、この島の南側は一気に落ち込み潮も当たる。地元の人や漁師さんはそっちにはサメの巣があるからみんなでは絶対行かないようにと言われる。この水温(24〜25℃)だとハンマーヘッドもいるかななんて思いながら他のメンバーにスタッフイタミと待っていてもらい様子を見にのぞきに行って見る。垂直な壁に腔腸類がびっしりと付き大型のイサキの群れやキビナゴの群れが舞って視界をさえぎる。その時何かの影が目前をかすめて行く。それもすごいスピードの大きな群れだ。やっと目で確認するとメジロザメの群れだ。視界には数十匹、かすめたのは10匹くらいか。この透明度なので目に入るときは目前である。かなりビックリである。壁にへばりつきながら戻る。その間も何度も威嚇するようにかすめて行く。テリトリーに入ったからだろうか。怒った犬に追われているような気分だ。ちょっと涙目!? けっこうあせりながら戻るとメンバーの泡が見えてくる。サメたちは私を追い越しそっちに走ってゆく。私ももう猛ダッシュだ。慌てて移動するように合図したがみんなはハッキリとはサメたちの姿は見えなかったらしい。でも皆さんごめんなさい。けっこう反省とオッタマゲであった。

久多島 by Itami

by Itami


「宇治群島」

流れるタカサゴの群れ by kunii san

群島の北端

漁師さんによるとこのあたりは初夏からお盆の頃までは潮がかなり速いことが多いそうだ。昨年潜った場所やら良さそうな場所を見てまわったがどこもゴウゴウに速い。とても楽しんで潜れる雰囲気ではないので北の先端のカゲから潜ることにする。さすがここまで走ると水はきれいだ。25〜30mは見えている。(本来はもっときれいだが)根をまわるとそれなりに潮がかかっているので穏やかなほうへ戻る。なだらかな斜面に大きな岩がゴロゴロしている地形。途中ムロアジの群れ、ツムブリの群れ、コガネスズメダイ群れ、キビナゴ達、ハタタテハゼなど。

鮫 島

鮫島 by Kunii san

by Sanno san

この岩の荒さがそそる by Itami

昨年から気になっていた鮫島に向かった。宇治群島の中でもちょっと離れた場所に位置し、周囲はどこも切り立っていて独特の雰囲気をかもし出している。その島まで行ってどこか潜る(特にエントリー)する場所はないかと魚群探知機で水深を測りながらまわってみる。できれば潮がカゲになって潜降してとりつく場所があればいいが。水深を見て行くとだいたい島からすぐでも(壁から10mくらいをまわったが)水深40〜50mはある。場所によってはいきなり60mまで落ち込んでいる。離れ岩との間の水路がなんとか浅くなっていて10mくらいの場所がある。水路なので潮の流れが気になったがそれほどでもない。一気にEN.潜降する。まずは一気に落ち込み水面上ではかなり潮のぶつかっていた側に用心しながらすすむ。すべてドン深と思っていた水底は巨岩が連なり沖に張り出している部分があった。その巨岩で潮がさえぎられているのか潮はあまりない。しかし、そのちょっと怖くてダイナミックな雰囲気はかなりのものだ。いかにもなにか出そうだ。そこから戻り水路に向かうと途中イソマグロ、イトヒキアジ、ギンガメアジ、遠くにカツオの姿も見える。水路を通りぬけると、根がボコボコあるあたりに。ダイビングで楽しむにはおあつらえ向きな地形だ。十分におおがかりな地形だがなにか優しく感じてしまう。根を渡ってゆくとキンギョハナダイの大群が岩を覆う。そこへタカサゴの群れが流れ込みツムブリの群れも周りをまわる。ダイビング終盤だったがすごい魚影になってしまって大喜び。ここはいろんな雰囲気を1ダイブで楽しめる島であった。でもそのうち残り半分も見てまわらなきゃ。

宇治家島の港 by Itami

0000 この港の外側の岸壁はなかなか高い。7mくらいと言ってるが感じとしてはもっと..前にも飛び降りた人がいると聞き黙っていられなかった春の与那国ツアーで星砂を見つけ”メルヘン”の異名をとった小松と同い年の森村さん。ウオ―!の雄たけびとともに飛び降り今回は「根性モリムラ」の面を見せつけたのであった。


鷹 島

by Itami
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by Itami
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by sanno san

秋目から50分程で着く。秋目は小雨であったが雲をくぐり抜け鷹島ではほぼ晴れになった。ここはいくつかの背の高い島がかたまっている。かなりカッコいい島だ。ここもカツオ鳥の姿が多い。海でカツオ鳥を見ると離れた島や岩が近いことを知らせてくれる。島のまわり、洗岩も気になったが浅いところで水深10mくらいの沈み瀬(隠れ根)があって以前トカラに向かう途中に潜った場所に行くことに。潜降し潮上に向かう。ここも今回は水はやや悪く透明度15〜20m程。しかし、キンギョハナダイが圧倒的な数で潮上を覆う。タカサゴの群れが流れ、ウメイロモドキ、ウメイロも色を添える。トサカ類を始めとする側面には腔腸類が、根の上にはハードコーラルがつく。そして大きなかたまりとなったツムブリの群れがダイビング中のほとんど付いてまわっていた。キヘリキンチャクダイ、トサヤッコ、コガネスズメダイサザナミヤッコ、ミギマキなど魚の数はとても多い。縦長の根の周囲は水深30〜40まで落ちるが根の先端の水深23mあたりがちょっと棚になっていて魚待ちにいい。今回はいなかったがメジロザメなんかも現れることも。(今回通して)水は本来の透明度ではなかったが魚影といい、岩の感じといいここ鷹島の海も手付かずのやはり素晴らしいものだった。


次はどの島どの岩を目指そうか!

草垣群島?薩摩硫黄島あたり?まだまだ宇治、鷹島のしらない場所?


強力な味方、漁師コンビと快速しおり丸

途中、津倉瀬を通る by sanno san
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宇治群島まで1時間20分以、鷹島まで50分。30ノット以上の素晴らしいスピードでカッとぶ「しおり丸」この船があるから日帰り宇治群島&秋目での静かな夕方..なんて余裕の岩狙いができるのである。ちなみに秋目〜宇治間は横浜〜箱根湯元以上の距離に匹敵する。

このツアーは漁師コンビの川村さんと船長富田さんの存在が大きい。間が空くとすぐに釣りを始めてしまう根っからの漁師さん。楽しくて頼りになる海の男たちである。


坊津町秋目の「がんじん荘」

初めての南九州ツアーの時に偶然に立ち寄って以来ここにお世話になっている。秋目は定期バスも通らない静かな漁村。夜に目の前の桟橋に出れば満点の星空。そこのただ1軒?の旅館「がんじん荘」。昔むかし、鑑真和上がやっと上陸できたという秋目の由来からの名前。港を望む部屋と海の幸いっぱいのおいしい食事。極上の和風リラックスを満喫できる秋目集落とがんじん荘である。

窓から港が望める by sanno san

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桟橋からがんじん荘を写す

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宿の前の桟橋でBBQ by sanno san


これまでの南九州ログ

2000年8月4日〜6日

2000年9月29日〜10月1日


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