ダイブログ 2003

2003年7月24日〜27日

2003 夏


1.湯瀬(でん島)

2.湯瀬(でん島)

3.草垣群島

4.草垣群島

5.秋目 唐岬


恒例、この南九州ツアー。関東はまだ梅雨明けしていない。九州では数日前に集中豪雨で大きな被害が出たとさかんにニュースで報道されていた。(熊本あたりがひどかったようで、この坊津では大雨はなかったようだが)

例年よりずいぶんと気温が低くはっきりしない天気が続く関東から鹿児島空港に降り立つとモワっとする空気にまず驚く。24日の夜に着いたのだが気温はもう27〜29℃はある。もうすっかりこっちは夏というわけだ。数日前は良くなかった天気予報も徐々に良いほうになってきた。長距離を遠征するこのツアー、天候が気にならずにはいられないが期待の初日となってきた。


湯瀬&薩摩硫黄島

前日の夜遅くにいつもの「がんじん荘」に到着し25日はちょっと眠いけど朝からスタートだ。天気は上々、海は風もない凪である。本日の行き先は最近のお気に入りの「湯瀬、薩摩硫黄島」である。湯瀬は言うまでもなく釣りでも1級ポイント。これまでに潜っても魚影の濃さはピカイチだった場所だ。南西からのゆったりしたうねりはあるようだが水面は鏡のよう。船はたたくこともなく30ノット以上のスピードで快調に走って1時間と少しで湯瀬に到着。

Akinoshima

Terao

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Izumi

今年はどういうわけかあまり海の色が良くないようだ。そういえば6月下旬の小笠原もとても水が悪かったとか。外海なのにどういうわけで水が悪くなるのだろうか?それでも海は凪で他にだ〜れもいない湯瀬を独占状態で飛び込む場所を物色する。そして潮がいい感じで当たっているあたりへエントリー。水は残念ながらかなりにごっていて透明度は15mあるかといったところ。(前回は真っ青で30mオーバーだったのに)でもやっぱりさすがのポイント。メジナ、ニザダイの大群がお出迎え。水中では特大カンパチたちがつきまとう。太ったツムブリの群れも登場したり。やっぱりここはスゴイ!

2ダイブ目はまだまわっていないほうを狙っていったが潮の当たりが悪かったらしく前半は不満な状態。ちょっと泳いで潮上に出るとニザダイの群れやヒラアジの仲間の大群、タカサゴの群れが出てくる。浮上は潮に乗って水路を通る。安全停止しながら通る水路は妙に楽しかった。

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DB Izumi

そして、次のお楽しみは薩摩硫黄島へ。あいかわらず赤い水の港に入りまずはお弁当。強烈な日差しを避けてみんな港前の木陰に逃げ込む。暑い!!そのあとはお楽しみの東温泉へ。この温泉の経験者が多い今回はみんな散って他の湯溜り探しへ。ぬるめのお湯、熱めのお湯、そしてなんと泥湯まで見つけて泥まみれになって喜んでいるメンバーも。まよわずおなかや顔にまで塗りたくっているが大丈夫なの??

あいかわらずの港としおり丸 

港前の木陰でお弁当を 

硫黄島の活火山と集落 

島流しされた俊寛像と硫黄岳 

港に戻ってなんだかこれも恒例になってしまった商店でのアイスの買い食い。のんびりしたあとはしおり丸で一路秋目へ帰還だ。帰りも凪で順調な航海。途中イルカの群れの出現も。夕方5時前に秋目に到着しここからも夕方の漁村でのまったりゆったりの時間を味わいながら過ごす。あの距離を走って遊んでこの余裕は本当にありがたい。

泥湯?? 

今回は硫黄島でいろんなお風呂を見つけました。ちょっとぬるい湯、いつもの湯、そしてなんと泥湯まで!

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ここは熱くなくて気持ちイイ 


草垣群島

このエリアで唯一行っていない場所が「草垣群島」。距離が一番遠いこともあるが、魅力ある無人島がたくさんあるこの海域でやっと順番がまわってきたということもある。距離は80〜90キロ、快速しおり丸でも2時間弱は見なければならない。足の速くない(というか普通の船なら)3時間以上はかかるだろう。そのぶん野生の状態が色濃く残り漁師さんの話でも魚が多いとのこと。

2時間走って草垣が見えてきた 

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ギザギザの岩が草垣の姿 

前日の凪からかわって南西からのうねりが大きくなっている。しおり丸の川村さん曰く「イワシじゃなきゃ行かないかも」、そう言えば「潮流が速くても飛び込んでもらうのはイワシだけ」とも言っていたが喜んでいいのやら!?たしかに潮は(適度に)いってなきゃおもしろくないし。。メンバーは飛び込ませろと目で責めるし。。

むかいのうねりでたたかれながら走って2時間強(速度は落とさざるを得ない場所もあったため)で草垣群島に到着。ギザギザとした島と岩。カツオドリをはじめ多くの海鳥が舞っている。灯台はあるが港は無い。船着場らしきものはあるが潮位が高くないと付けられそうもないし、そうだとしても横付けできるような場所でもない。さあて、どこを潜ろうか。まずはこれが大変であり楽しかったりもする。魚群探知機で水深と反応を見ながら潮が当たりそうな場所を探す。群島の南の端に手ごろな沈み瀬(隠れ根)を見つける。沖合いには多少の潮目があるような。

Izumi

草垣1本目を飛び込む。昨日の湯瀬よりもずっと透明度が良い。30mは見えているだろう。水温も25〜28℃ほど。トップは7m位、そこからダイナミックに落ち込んでいる。メジナの群れがザーッと走る。メンバーの一人はサメを発見。しかし、そこからさらに南の先端に向かうが潮がべったり止まり巨大岩と青の世界になってしまう。ウーン難しい。ポイントの決まっていない場所を潜る場合すぐにはあたらないこともある。でも草垣の実力はこんなもなのだろうかとつい考えてしまう。

昼休み。元気な女性陣は貝探し?

2ダイブ目は川村さんのおすすめで瀬戸(海峡)に面した離れ岩に行ってみる。遠征磯釣りのシーズンには人気らしい。だが潮があまりにも速そうだ。かえってワタシがもっともっとと潮の動きの少ないほうへ移動を依頼する。そして水底もそれほど落ち込んでいないあたりでエントリー。なだらかな水底にサンゴが群生する。なんというか水底が生き生きしていてもう沖縄あたりでこんな感じを受けることはほとんど無いような気がする。ずっと以前に初めて与那国島に潜って一発ではまってしまったときと同じ感じがした。大きなハタタテダイ、トサヤッコ、タテキン、ハタタテハゼが普通にいてミギマキ、テングダイも普通にいる。他にも無数にそんな状態だし。中層でもニザダイの群れとウメイロモドキの群れが普通に交差してカンパチもずっとついてくる。でもこのなだらかな水底のまま終わってしまうのも草垣のあのギザギザした島からはちょっと気が残るような。しかし終盤に一気に大逆転となりました。地形がはっきりし始め、メジナの大群がスタートの合図。ニザダイの大群が行ったり来たり。ツムブリの群れ、タカサゴ、クマザサハナムロの群れが走り。ズドーンとした巨岩の間の水路にはでっかいイソマグロが並んでいた。亀もヒラヒラ寄ってきたりでわれわれも水路を流れながら飛んでゆく。いつもより時間オーバーして浮上。「なぁ〜んだ、草垣すごいじゃん!」という結末であった。

Izumi

 イソマグロも並ぶ Izumi

大きなサンゴもいっぱいある 

 テングダイもよく見た  Terao

Izumi

 南の海っぽい Nemoza

Nemoza

秋目もなかなか 最終日は遠征せずに秋目で潜ることに。前回もぐった千貫瀬は好天のためか船が数隻きていた。我々は秋目湾の南の端の岬へ。梅雨のときの九州に降った大雨の影響の透明度の悪さは覚悟の上。潮流は結構早く船上からもキビナゴの群れが元気よく泳いでいるのが見える。飛び込み斜面に取り付くとやはり濁り気味。水温は22〜25℃あたり。しかし魚は多い。ここもニザダイ、イサキ、メジナの大群。そして九州らしく(まだ小さいが)キビナゴの大群が走っている。結局最後までキビナゴの群れは横を走っていた。アラや大きなアオブダイもちょこちょこ登場。透明度こそ良くなかったが魚影はかなりのもの。まったく侮れない秋目の海であった。

Izumi


なぜかお酒

鹿児島空港で時間があるのでちょっと遊びに出かける。空港から送迎もある「??」名前はなんというのなかな?チェコ村と言っているがそれでいいのかな?そこではまずは案内の人に焼酎の説明、それから試飲に連れてゆかれる。10名という団体だったからかな?ちょびちょび飲んでいる間に気持ちよくなる人も。何人かは気に入った焼酎を買っている。でもなんでチェコ村で焼酎か?という意見も出たが次はお土産、名産品の試食へ。その中で黒豚ソーセージがみんな気に入って試食の皿を空にする。そのあと男性陣は地ビール、チェコビールとソーセージ、生ハムのレストランに入ってしまう。帰りの時間も近くなったのでワタシは引率として急かしに行ったが生ハムを食べたら忘れて座ってしまった。つまりおいしかったわけで...

空港へ戻り夕飯をとり、19時台の飛行機で一路羽田へと。みんな真っ赤いや真っ黒な顔で梅雨明けしていない東京へ戻ったのでした。

あたるも○○、あたらぬも○○ 今回は念願の草垣群島へも行くことができて、行けるエリアへはすべて走ったことになる。宇治群島、鷹島、津倉瀬、薩摩硫黄島、草垣群島。それに秋目周辺や久多島。しかし正確には硫黄島の近くの黒島や竹島では潜っていない。それに宇治群島や硫黄島、もちろん草垣群島でもほんの一部分しか潜ってはいない。毎年少しづつ違う潮や水温で水中はそのつどあまりに違う表情を見せる。キリがないと思いつつまだまだ見てみたいと思う。行ったメンバーの多くもそう言う。

いつも思うし言ったりもするが−−うんざりするほどダイバーが潜っている沖縄や海外のポイントをならこのエリアのほうが水中が元気である。信じなかったり興味を持たない人も多いがホントなのだ。このことは今回またはっきりしたような気がする。独特な雰囲気や明るいビーチを持つ沖縄をはじめとする南の海はもちろん好きだがこのあたりの元気でごちゃ混ぜの海は本当に楽しい。快速漁船で片道1時間以上は当たり前でしかも雑誌に水底地図が出ているような場所に飛び込むわけではないので何が見れますか?といわれても困ってしまう。それに予想と違ってアリャということもある。が、いまやダイバーが見ることができる場所としてはまったくもって少ない「人に荒らされていない海」のひとつであることは間違いない。(関東で言えば銭洲、イナンバ、青ヶ島、べヨネーズ?) そんな海が見てみたい、または見られすぎた海にワクワクしないという方、ぜひお試しあれ!



これまでの南九州ログ

2002年10月4日〜6日

2002年8月9日〜12日

2001年10月5日〜8日

2001年7月13日〜15日

2000年9月29日〜10月1日

2000年8月4日〜6日


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