ダイブログ 2008

2008年10月2日〜5日

南九州 野生の岩 ツアー

鷹島


今回こそやられたか!!

中国大陸に向かうとなっていた台風15号がカクッと曲がって日本(まずは南九州あたりに)に向かってやってくる進路予想になりました。

到達予想をみても今回のツアー日程にちょうど合ってしまう可能性が大きいようでした。

これまで16回を中止なしで催行してきた「南九州 野生の岩ツアー」もついに中止の時がやってきたか…って思わざるを得ませんでした。

楽しみにしていただいているメンバーの皆さんになんて言いましょう、とクラクラしていました。延期の可能性も探ったりしていました。

しかし、

またもや不死身のツアーがその実力を発揮してくれました!!

台風15号はツアーの前日には日本(南九州)の南側を過ぎ去ってくれました。

ということで さあ、出発です!

1.沖秋目島 西の詰 

2.湯瀬

3.薩摩硫黄島

4.津倉瀬

5.鷹島 

6.坊津 千貫瀬


秋目で足慣らし

今回はリクエストもあって初日は朝イチで羽田を発って(いつもは夕方発、夜着)午後から近場の湾内で潜ることにしました。

9月に入ってからというもの豪雨など台風の影響を多く受けている南九州エリア。昨日過ぎた台風15号もこのあたりにずいぶんと大雨を降らせたとのこと。

当然、沿岸の海は川からの泥水が入って濁ってしまっています。。

船を走らせますが海面はすっかり緑色、うーん。

潜ったのは久しぶりの沖秋目(枇榔)島の西の詰。このツアーの初期には何度か潜った場所です。

飛び込むとさすがに白っぽいのですが10m以上は見えています。「いやいやこのくらいOKだね」

普段は伊豆で潜っている私たちはそんな贅沢に育っていませんからね(笑)

魚も楽しかった。

なんと言ってもキビナゴの劇場。刻々と形を変えて捕食者(カンパチ、カツオなど)から逃げ惑う大群。ずっと見とれちゃいました。高そうなアラはいっぱい三ノ字もいっぱいでした。

下を見ればお休み中のカメが。最後に泳ぎだすカメに頭を叩かれた方もいました(笑)

実に楽しい海でした!

天気も上々、ダイビングのスタートです。

キビナゴ群れがビランビランと!   Y.Asai

群れの向こうが見えなくなるときも。

カメがいました。

お父さんがカメに叩かれる1秒前! Aki


湯 瀬

2日目からこのツアー本番です。

毎回、この海域のエースと言っていいこの場所に潜ることは大きな楽しみです。

でもここは外洋に浮かぶ島とうより岩です。風やうねりの影響も受けるわけです。

今回は東よりの風がなかなかの強敵でした。

それでも到着してみれば潜ることはできそう。1本だけでも潜りましょう。

風の陰で飛び込むと 「!」

やはり湯瀬です。素晴らしい青さ!

透明度は軽〜く30m以上。

でも潮流もなかなか気合の入った流れっぷり…

皆さんがんばって進むとやってきました名物ギンガメアジ。いつもならすぐに行ってしまうことが多いのですが流れが速いためか私たちにお構いなしに頭上で乱舞しまくり。

我々が動けないと思って〜。

前方には大きなイソマグロやメジロザメも。

そして今回の湯瀬のハイライトは手強いダウンカレント。

浮上に向けて飛び立つ前に皆さんに「ダウンカレント注意」と知らせましたが、それでも12m付近から一気に28mくらいまで運ばれました。

何人かの方は耳が痛くなったそうで、水深が落ちていることはよくわからなくて耳の調子が悪くなったのかと思ったそうです。

それだけ一気に落とされれば痛いですよね。。

そう、落とされている時ってそのことがわからなかったりするんです。

さすが湯瀬。。

湯瀬ダイビングのスタート   Akinoshima

巨大イソマグロが悠然と通ります。

黒くなったギンガメも。  S.Asai

彼らは潮流の中縦横に泳いでいます Y.Asai

速い! 潮流に負けずに岩につかまります。

ギンガメアジ群れ     T.Matsui

流れを堪能中!!  Akinoshima

↑上の写真をクリックすると動画も見られます。

。。

M.I


薩摩硫黄島で潜る

湯瀬で潜ったとは休憩するほど海面は静かではなかったのでエキジット後は硫黄島に走って2本目は島周辺で潜ることにしました。

風が当たらなくて波もない立神岩の近くで飛び込みました。

湯瀬に比べると青さが無い感じでしたが透明度は十分。

硫黄島周辺は地形がダイナミックな場所が多いです。進んでゆくとビルの谷間のような場所に出ます。その間皆さんサザナミヤッコやらシテンヤッコやら伊豆では見られない魚をみて写真を撮ったり。

岩の上にはメジナの大群、その上から見ると凄い数のオヤビッチャが。あれだけいると見とれちゃいます。

エキジット後にメンバーの方曰く

「流れが無いと魚も少ないなぁ」

いえいえ、流れもあったし、魚もいましたよ〜

どうも湯瀬の後だと基準がおかしくなっているようですね(苦笑)

この岩の下で潜りました。  Akinoshima

硫黄島でのダイビング   Akinoshima

さすがに伊豆とは魚が違います。   M.I

オヤビッチャがすごい数でした。  Y.Asai

釣りで人気のメジナもぐっちゃり!  Y.Asai

薩摩硫黄島でもよく見ます。 海蛇

Akinoshima


薩摩硫黄島 陸上

この日は寒かったです。

雨が降りそうなどんよりした曇り空。

10月ってこんなに寒かったっけ?って感じでした。

でもいいことが。。いつもの野趣満点の東温泉。

温泉が気持ちいい〜!!

夏に来た時にはあまりの暑さでお湯に浸かる気分がイマイチ盛り上がりませんでしたが、今日は温泉サイコー!でした。

秋の温泉、たまらんです〜。

暑くなくても意地でアイスを食べたりました。

昔々、この島に流罪にされた俊寛の像


津倉瀬、鷹島

3日目も遠征です。今回は久しぶりに鷹島方面へ行ってみることにしました。

ログを見ると2年ぶりだったようです。

まずは鷹島からも遠くない最近お気に入りの津倉瀬からです。

昨日の湯瀬に続いて潮流は速め。潮の緩む場所からエントリー。水底は40mくらいあります。その中層で集合となる津倉瀬はそのダイナミックさがゆえに多少レベルも要求されるかな。

朝、出港してずっと海の色は緑っぽくて冴えなかったのですが津倉瀬が近づいてきた頃には一気に青くなりました!

飛び込むと果たして青い海が広がっています。まずは足も手も使いながらエッチラオッチラ進みます。

潮の当たる場所まで来ると「来ました来ました」 魚たちが湧いて出てきました。タカサゴやメジナがどんどん目の前にあらわれます。

岩につかまってみていると気持ち悪いくらいに大きいツムブリやヒラマサ、イソマグロ編隊もあらわれます。

お楽しみの時間の仕上げは、潮に乗ってのドリフト開始。潮流が速いので一気に流れます。津倉瀬の海底が流れて次第に底は見えなくなり青の世界に。

ダイナミック津倉瀬。最近のイワシの流行です!

津倉瀬に到着

津倉瀬の水中はダイナミック!  Akinoshima

タカサゴの群れ     Akinoshima

イソマグロの編隊    Akinoshima

浮上中。 青さが気持ちいい!  Akinoshima

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鷹 島

実は今日の天気予報は芳しくありませんでした。雨も降るとか次第に風も強まるとか。

午後は厳しいかなぁなんて思いながらのスタートでした。

朝の津倉瀬は曇りベース。

でもお天気はどんどん晴れてくるし、海は静かになってくるし。ラッキー!

2本目は30〜40分ほど離れた鷹島へ。久しぶりの鷹島はやっぱりカッコいい!!

カツオドリが舞います。陸上景観は湯瀬を上回るカッコ良さかも。

海は潮流もそれなりにあります。

潮を登るのは辛そうなので潮の上手から飛び込みます。

潜降する私たちの横にはメジナの大群がグワッと泳ぎ回っています。潜降、集合する前なのに気が散るなぁ。。水底は高さはないけどサンゴも豊富です。コガネスズメダイもいっぱい。鷹島らしい光景です。

そして、、

本日の主役の登場!

メジロザメが2匹やってきました。大きい方は3mに近い大物。あわてて皆さんに知らせます。が、行ったり来たりけっこうゆっくり見れちゃいました。しかも数も次第に増えてきたし。時々近づいてくるので迫力満点。

そのうちサメはいなくなったので一回りして浮上のお時間。

快調に流れる潮流に乗ってドリフト開始。岩横に見えるドロップオフには魚がいっぱい。見ごたえあります。下のほうにはまたもやメジロザメ登場。

そして、中層に出て安全停止に入ります。

と、メジロザメが付いてきています。

どんどん増えてその数10匹以上。私たちの周りをグルグル回ります。時折グッと近づくヤツも。

メンバーの皆さんこれまでに無いほど密集して集まります。そういえば豆南諸島のソーフ岩も思い出しました。

結果的にはもちろん誰も食べられていない(当たり前)のでこうして楽しくログを書いているのですが(笑)、みなさんドッキドキのスリル満点ダイビングを堪能していたようです。

鷹島からの帰路には名物とも言えるイルカにも出会えました。なぜかチビッコイルカがいっぱいで船とはあまり遊んでくれなかったですが飛んだり跳ねたりしてとっても楽しそうに遊んでいました。

陸上景観は抜群にカッコいい鷹島

エントリーしてすぐに魚いっぱい。

視界のほとんどが魚だったり。

メジロザメ登場

かなり接近してくるヤツも(汗)

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安全停止も、メジロザメが寄ってきました。

10匹くらいにグルグルされました(怖)

最後に鷹島観光!    K.Kobori

水路からは奇岩や穴も見えます。 S.Asai

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帰途、鏡のように静になった海にイルカたち。


千貫瀬

今回もラストのダイビングは沿岸では屈指のポイント「千貫瀬」

そんな千貫瀬は秋目からはすぐそばです。

今回はこれまで降った大雨の影響で沿岸は残念ながら水は濁り気味。今回も透明度は10mくらい。

近いといってもここは潮流も速いし、まわりの水深は深いし決して楽な場所ではありません。

またもや快調に流れる中を今回初めてのロープ潜降で下りてゆきます。さっそく横目にタカサゴの大群登場。水底に到着すると今度は大きなマダラトビエイが横切ってゆきます。

名物イサキ玉はどこかと探しますが見えてきません。でもタカサゴたちはずっとガンガン群れています。ニザダイや視界をさえぎるキビナゴの大群。

そして根の上にはすん〜〜〜ごいキンギョハナダイ超大群です!

岩が群れの分だけ大きく見えます。上の方にはツムブリの編隊やすごいスピードで泳ぐカツオの群れも。

魚影にこだわるならいつもここ千貫瀬がイチバンかも。

いやはやお腹いっぱいになりました!

足元を流れるタカサゴ群れ Akinoshima

ここでもキビナゴの大群が

浅い場所のキンギョハナダイは見事 Matsui

↑上の写真をクリックすると動画も見られます。


今回も最後の夜は港でバーベキュー

いつもありがとう!

ポイント地図があるわけでもない野生の岩、しかもあえて潮流がかかっている場所に飛び込めば目の覚めるような光景が広がります。

そんなダイビングが実現できるのは彼ら2人のおかげです。漁師らしい的確な海のアドバイスと信頼感バッチリのドリフトダイビング。

こんなダイビングができるのは彼らのおかげ!

今回も台風で心配なスタートだったけど、フタを開ければやっぱりメチャメチャ楽しい薩南エリアの岩々!

またよろしくね、富田船長幸夫クン

向かって左は富田船長、右は幸夫くん

おわり


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